魔女の暮らし
この時期のお楽しみ。
無濾過搾りたてのオリーブオイル!パンに付けるだけで本当に美味しい!
以前、英国で正式な「ウィッチ」の称号を得た、本物の魔女にお会いしたことがあります。魔女は自然界と繋がって生きており、「魔法」とは自然エネルギーなんだそうです。
「自然界と繋がって生きる」と言われて、どんなことを想像しますか?
私が想像したのは、
人里離れた場所で自給自足の暮らし
とか、
毎朝浜辺を裸足で散歩するのが日課
とか。
うーん、私にはハードル高いな。
そして、その本物の魔女は、「暮らしの中で大切にしていることはありますか?」との質問に、「初物は頂くようにしています。」と答えていました。
それを聞いた正直な私の感想は、
何それ?そんなこと?
初物なら私も大体食べてるし、そんな簡単なことなら私も魔女になれちゃうな〜と思っていました。
さて、冒頭のオリーブオイルですが、昨年とても美味しかったのでうちに遊びに来た友人二人に振る舞うと、彼女たちも美味しさに感動して「買いたい!」ということになりました。まだ入手できたので追加で二本購入し、翌月に渡す段取りをつけました。一年前の話です。
昨年の九月下旬に予約受付の連絡が来た時、彼女たちもまたきっと欲しいに違いないと思い、連絡するとこんな返事が。
「実はまだ去年のが残っているから、今回は見送ります。」
ええー!
一年近く経つのにまだ残ってるなんて驚きましたが、忙しくて忘れちゃってたのかなぁと思っていると、もう一人からも返事が。
「実は私も去年のがまだ残ってる。」
えええーー‼︎
二人ともってどういうこと⁈
あまりの驚きに呆然としましたが、そこで上の魔女の言葉を思い出しました。
「初物は頂くようにしています。」
そんなこと?と思ったこの言葉。
でも「そんなこと」ができない人がたくさんいる。いや、「そんなことができない」んじゃなくて、むしろそれが普通なんだと。
去年のオリーブオイルを食べきれなかった二人。美味しい物が好きで、うちで食べたオイルに感動し、手間をかけて取り寄せた。お値段だって安くはない。オイルは酸素に触れるとどんどん酸化するので、開封したら美味しいうちになるべく早く食べてしまった方が良い、なんてことはもちろんよ〜く分かってる。
でもそれができないのはなぜだろう?
なぜかは分からないけど、私もお勤めしてたらできなかったかもしれないなぁと。日々のことに流されて、「そんなこと」を楽しむ余裕はなかった氣がする。「そんなこと」を「そんなこと?」と思えるようになった私がむしろ変わったのでしょう。
初物を頂く。
そんなことだけど、本物の魔女が言うことはやっぱり奥が深かったんだなぁ。
自給自足の暮らしも浜辺を裸足で散歩もできないけれど、初物は頂くようにしよう。そんなことをしみじみと感じる年の瀬でございました。